INTRODUCTION
メジャーリーグを舞台に、その華やかな選手たちの関係を捉えながら、そこに渦巻く閉鎖性によって浮彫りになる様々な実情にスポットを当てた『Take Me Out』。
2003年には第57回トニー賞演劇作品賞を受賞し、衝撃的な日本初演となった2016年には第51回紀伊國屋演劇賞団体賞の対象作品となり、2018年に再演した本作。7年の時を経て、装いも新たに再始動!
再演を支えたオリジナルメンバーに新メンバーを加えた経験豊富な「レジェンドチーム」と、一般公募330人の中から完全オーディションで選び抜かれた実力派の「ルーキーチーム」による、2つのチームで熱い公演を繰り広げる。「また挑戦したいと常々願っていた戯曲」と語る演出・藤田俊太郎が、今回初めて2チーム体制でそれぞれ異なる演出で創り上げる!
舞台上で再現される球場内のロッカールーム、球場のグランドなどまるで野球観戦をしているような臨場感をお届けします。劇場で巻き起こる衝撃の数々をお見逃しなく!
2003年には第57回トニー賞演劇作品賞を受賞し、衝撃的な日本初演となった2016年には第51回紀伊國屋演劇賞団体賞の対象作品となり、2018年に再演した本作。7年の時を経て、装いも新たに再始動!
再演を支えたオリジナルメンバーに新メンバーを加えた経験豊富な「レジェンドチーム」と、一般公募330人の中から完全オーディションで選び抜かれた実力派の「ルーキーチーム」による、2つのチームで熱い公演を繰り広げる。「また挑戦したいと常々願っていた戯曲」と語る演出・藤田俊太郎が、今回初めて2チーム体制でそれぞれ異なる演出で創り上げる!
舞台上で再現される球場内のロッカールーム、球場のグランドなどまるで野球観戦をしているような臨場感をお届けします。劇場で巻き起こる衝撃の数々をお見逃しなく!
STORY
男たちの魂と身体が燃え滾る、「ロッカールーム」。彼らにとってそこは、すべてをさらけ出せる楽園だった。ひとりのスター選手による、あの告白までは――。
黒人の母と白人の父を持つメジャーリーグのスター選手、ダレン・レミングは、敵チームにいる親友デイビー・バトルの言葉に感化され、ある日突然「ゲイ」であることを告白。それは、150年に及ぶメジャーリーグの歴史を塗り替えるスキャンダルであった。
ダレンのカミングアウトに対し、チームメイトのキッピーをはじめ、キャッチャーのジェイソンやダレンの理解者である会計士のメイソン、監督のスキッパーらは好意的であった。しかし、セカンドのトッディや、ドミニカ人選手のマルティネスとロドリゲスらは怪訝な態度を示す。そして、日本人選手のタケシ・カワバタは相変わらず何も語らなかった。ダレンが所属する「エンパイアーズ」内には軋轢が生じ、次第にチームは負けが込んでいく。
そんなときに現れたのが、天才的だがどこか影のある投手、シェーン・マンギット。圧倒的な強さを誇る彼の魔球は、暗雲立ち込めるエンパイアーズに希望の光をもたらしたのだが――。
シニカルとコミカルが絶妙に混ざり合い、圧巻の展開が待ち受ける……!!!
黒人の母と白人の父を持つメジャーリーグのスター選手、ダレン・レミングは、敵チームにいる親友デイビー・バトルの言葉に感化され、ある日突然「ゲイ」であることを告白。それは、150年に及ぶメジャーリーグの歴史を塗り替えるスキャンダルであった。
ダレンのカミングアウトに対し、チームメイトのキッピーをはじめ、キャッチャーのジェイソンやダレンの理解者である会計士のメイソン、監督のスキッパーらは好意的であった。しかし、セカンドのトッディや、ドミニカ人選手のマルティネスとロドリゲスらは怪訝な態度を示す。そして、日本人選手のタケシ・カワバタは相変わらず何も語らなかった。ダレンが所属する「エンパイアーズ」内には軋轢が生じ、次第にチームは負けが込んでいく。
そんなときに現れたのが、天才的だがどこか影のある投手、シェーン・マンギット。圧倒的な強さを誇る彼の魔球は、暗雲立ち込めるエンパイアーズに希望の光をもたらしたのだが――。
シニカルとコミカルが絶妙に混ざり合い、圧巻の展開が待ち受ける……!!!
『Take Me Out』2025に寄せて
上演する時代でこれほど受け取る印象が変わるせりふ劇、そして、私を含めカンパニー自身成長できる作品はないのではないかと感じてきました。ベースボールに例えると、シーズンごとにチームのカラーは全く変わり、その時に一緒に過ごすプレイヤー、関わる全ての戦士たちと最高に美しいシーズンを目指して戦っていく。
2025年5月開幕の2チームを演出します。再び集った強者と演劇の名プレイヤーたちで構成する『レジェンドチーム』。劇的で興奮に満ちた時間、全キャストワークショップオーデョションを経て一つになった『ルーキーチーム』。稽古が始まる前の段階の構想で、2チームそれぞれのチームカラーに合わせたアプローチを考えています。
舞台となるアメリカ合衆国のメジャーリーグ、2003年。イラク戦争開戦の年です。リチャード・グリーンバーグさんがどんな希望を込めて劇作をしたのかを更に深く、とことん追い求めたいと考えています。ラストシーンのせりふで、「言葉にするのが難しいだけかな」という呟きがあります。価値観の違うもの同士の対話、友好関係、そして言葉と肉体を通して思いを伝え合うこと。野球の感動と演劇を交錯させ、言葉を尽くした上で、言葉にできない思い、もしくは言葉にしか託せない想いを役者の身体に宿したいと思っています。そして「Take Me Out」というタイトルに込められた’ここではないどこかへ連れ出してくれる存在’には、ルーツや今いる場所を大事にするというもう一つのテーマが明確に描かれているのではとあらためて考え、新たな創作をしたいと思っています。
21世紀の初頭から激動の時を過ごし、2025年を生きる私たちが、この四半世紀で何を損ない、何を守ることができたのか。この愛の物語を最愛のお客様と共に劇場で体感したいと思っております。真心を込め大切に紡ぐ2チームを是非ご覧になってください。
演出家 藤田俊太郎
これまで2度演出を担い、その度にカンパニーの皆と全く新しい風景を見てきました。時を経て、この愛おしくてたまらない作品、熱望していた再挑戦をできることを誇りに思います。2016年、18年の上演を一緒に作った仲間たちに心から敬意を込めると共にプロデューサーの決断に深く感謝しています。上演する時代でこれほど受け取る印象が変わるせりふ劇、そして、私を含めカンパニー自身成長できる作品はないのではないかと感じてきました。ベースボールに例えると、シーズンごとにチームのカラーは全く変わり、その時に一緒に過ごすプレイヤー、関わる全ての戦士たちと最高に美しいシーズンを目指して戦っていく。
2025年5月開幕の2チームを演出します。再び集った強者と演劇の名プレイヤーたちで構成する『レジェンドチーム』。劇的で興奮に満ちた時間、全キャストワークショップオーデョションを経て一つになった『ルーキーチーム』。稽古が始まる前の段階の構想で、2チームそれぞれのチームカラーに合わせたアプローチを考えています。
舞台となるアメリカ合衆国のメジャーリーグ、2003年。イラク戦争開戦の年です。リチャード・グリーンバーグさんがどんな希望を込めて劇作をしたのかを更に深く、とことん追い求めたいと考えています。ラストシーンのせりふで、「言葉にするのが難しいだけかな」という呟きがあります。価値観の違うもの同士の対話、友好関係、そして言葉と肉体を通して思いを伝え合うこと。野球の感動と演劇を交錯させ、言葉を尽くした上で、言葉にできない思い、もしくは言葉にしか託せない想いを役者の身体に宿したいと思っています。そして「Take Me Out」というタイトルに込められた’ここではないどこかへ連れ出してくれる存在’には、ルーツや今いる場所を大事にするというもう一つのテーマが明確に描かれているのではとあらためて考え、新たな創作をしたいと思っています。
21世紀の初頭から激動の時を過ごし、2025年を生きる私たちが、この四半世紀で何を損ない、何を守ることができたのか。この愛の物語を最愛のお客様と共に劇場で体感したいと思っております。真心を込め大切に紡ぐ2チームを是非ご覧になってください。